
Codex CLI 実用ガイド:ローカルターミナルで動く OSS エージェント
Codex CLI は OpenAI が Apache 2.0 で公開しているコーディングエージェントで、ターミナル上で動き、ローカルリポジトリを直接編集します。Claude Code と並ぶ CLI 型エージェントの双璧で、無料 + BYOK(自前 API キー)で運用できるのが最大の特徴です。本記事ではセットアップから実運用のコツまでをまとめます。
こんな人におすすめ
- OSS で運用したい:監査可能・改造可能・ベンダーロックインなし
- IDE に縛られたくない:Vim / Neovim / Emacs ユーザー
- BYOK でコスト最適化したい:API 従量で月額ゼロ運用も可
- 機密データを外部 SaaS に送れない:ローカル + 自社 API キーで完結
インストール
npm 経由が最も速い。Homebrew / Scoop / GitHub Releases も提供されています。
# npm(macOS / Linux / Windows 共通)
npm install -g @openai/codex
# 動作確認
codex --version
認証:3 つの選択肢
1. ChatGPT サブスク連携(最も簡単)
codex login
# ブラウザが開き、ChatGPT アカウントでサインインPlus 以上の課金ユーザーなら追加コストなく月の Codex 利用上限を共有する形になります。
2. API キー(BYOK / 従量課金)
# 環境変数で渡す
export OPENAI_API_KEY=sk-...
codex従量課金。「月数回しか使わない」なら ChatGPT サブスクより安く済む構成。
3. サードパーティ LLM(OpenRouter など)
~/.codex/config.toml を編集して別プロバイダの API を指定できる。Anthropic Claude / DeepSeek / Gemini など各社モデルにも対応。
承認モード(暴走防止の要)
Codex CLI には 3 段階の承認モードがあり、エージェントが何をできるかを制御します。
| モード | 挙動 | 用途 |
|---|---|---|
| Suggest(既定) | 提案を出すだけ、適用は人手 | 初心者・未知のリポジトリ |
| Auto Edit | ファイル編集は自動、シェル実行は確認 | 慣れた本番リポジトリ |
| Full Auto | すべて自動(サンドボックスで実行) | 使い捨てブランチでの長尺リファクタ |
サンドボックス実行(OS レベルの安全網)
Full Auto モードでは OS のサンドボックス機能でファイルアクセスとネットワークを制限します。
- macOS:Apple Seatbelt(
sandbox-exec) - Linux:Landlock / seccomp による syscall フィルタ
- Windows:Codex Cloud 推奨(ローカルサンドボックスは限定)
これにより「rm -rf ~」や意図しない外部送信を OS レベルで遮断できます。
日常運用のコツ
1. AGENTS.md を書く
リポジトリ直下に AGENTS.md を置くと、Codex がプロジェクト独自のルールを尊重します。
# AGENTS.md(例)
- パッケージマネージャは pnpm のみ
- テストは vitest を使用
- DB マイグレーションは別ブランチで実施
- 機密情報を含む .env を読み書きしない2. ブランチ運用と組み合わせる
git checkout -b feat/auth
codex "ログイン画面と認証 API を Next.js で。テスト付き"
# 完了後 diff を確認し、必要なら修正指示
codex "テスト 1 件が失敗している。原因を調べて直して"
# OK ならコミット
git add . && git commit -m "feat: 認証フロー"
3. シェル実行は事前承認制
Auto Edit モードでも、npm install や docker build 等のシェルコマンドは Y/N の確認が入ります。「全部 Y」を続けると暴走の元なので、コマンドの中身は毎回読む癖をつけると安全です。
よくあるトラブル
- 「OpenAI API rate limit」:BYOK の Tier を上げるか、ChatGPT サブスク連携に切り替え
- サンドボックスで pip install が失敗:ネットワーク許可リスト(
~/.codex/config.toml)を追加 - 編集後にビルドが壊れる:
codex "ビルドが壊れた。npm run build のエラーを直して"で続けて投げる - 意図と違う方向に走る:AGENTS.md にルールを追記、または Suggest モードに戻して様子見
ChatGPT Pro / Plus との関係
- ChatGPT サブスク連携を使うと、Codex CLI と Codex Cloud(Web 版)で利用枠を共有
- 個人用途なら Plus($20)+ CLI で十分実用可能
- 「長尺タスクを 1 日に何件も投げる」なら Pro($200)を検討
詳細は Codex 全体レビュー を参照。
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結論
Codex CLI は「無料・OSS・BYOK 可・ローカル完結」という、コーディングエージェントとして理想的な特性を持ちます。Claude Code が「機密データの取扱で勝つ」のに対し、Codex CLI は「透明性とコスト最適化で勝つ」選択肢。Vim / Neovim ユーザーや、API 従量で運用したい人には特に向いています。
※ 仕様・コマンドは 2026-05 時点のものです。GitHub の openai/codex で最新の README をご確認ください。